第124期  代議員大会  議案書(第3号議案〜)

第3号議案

「全日本学生自治会総連合」およびその東京支部である「東京都学生自治会連合」から脱退します。

東京大学教養学部学生自治会(以下、本会)は長きにわたり「全日本学生自治会総連合」(以下、「全学連」)およびその東京支部である「東京都学生自治会連合」(以下、「都学連」)に加盟してきました。本会としても、学生自治会の活動の発展ひいては学生生活の向上のために、全学連の学生自治会と交流し連絡を深めていくことを、引き続き重視していくことが望ましいと考えています。しかし、現在加盟している「全学連」および「都学連」は、以下に述べる理由により、全国的・全都的な学生自治会の連合体としての資格がほとんど欠如した団体であるため、これからは脱退することを提案します。

1 一面的で硬直した運動観

全学連の運動観は、広範な学生の意識を反映しているとは言い難いもので、内部で「学生自治会そもそも論」と称される「要求実現」一辺倒の運動観は、一面的であり、幅広い学生の議論に耐えうる客観性に欠けています。事実上、ごく一部の賛同できる学生の間にしか通用しない運動観に化しています。 

また、学生生活向上のためには多様な活動のあり方があるはずで、そうした多面的な活動を柔軟に認める視点に欠けています。

本会の現職の役員も全学連の学習会等に参加してきましたが、緊張感のない内輪の活動の雰囲気や、これまでの活動の一面的な押しつけを感じ、「この異様な空間に耐えられない」という感想を持った役員も複数いました。これらの硬直した運動観から、学生生活向上のために必要な力を得ることは到底できません。

2 加盟自治会の自由な発展を妨げる干渉体質

全学連は、自らの一面的な学生自治会論を絶対化する立場から、加盟自治会が自由に活動を発展させることに対して、時に干渉をしてくることがあります。本会に対しても、都学連の役員から、東日本大震災の被災地支援ボランティア活動が学生自治会がやることではないからやめるように、との圧力が加えられたことがあります。また、本会常任委員会の会議の場に幹部役員がたびたび現れ、全学連の方針を半ば押しつけるなど、本会役員の自由な議論を妨げてきました。他大学でも、2011年に東京経済大学学生自治会が全学連を脱退しようとした際、全学連役員が公表前の議案を入手してビラにして学内で無断配布したり、無断で集会をおこなったりし、学生の自主的な議論に干渉した事実があります。

3 活動・参加する大学・学生数の減少

こういった事情を反映して、活動・参加する大学数、学生数が大きく減少しており、学生自治会の全国的・全都的連合体としての客観的実態を失っています。現在、都学連の活動に組織的・継続的に参加している大学は、本学を除けば、東京農工大、東京学芸大の2大学、全学連はこの2大学にくわえ、信州大、日本福祉大、名城大、立命館大、京都橘大の計7大学にすぎなくなっています。「全学連大会」も、全国の学生を代表すると称しつつ、参加者は50名程度に過ぎません。全学連が昨年12月に開催した「全国学生集会」にも、およそ80名の参加者に過ぎませんでした。

4 全国・全都的団体としての資格を失っていることの根本的要因である党派性

学生自治会の運動は、学生自身による自主的なものであり、それを学外の党派が指導・介入し支配することは許されることではありません。その全国的連合体に対しても同様です。しかも、学生自治会は、全員加盟かつ全学生の会費納入をお願いしているところであり、公的団体としての側面も有しているわけですから、なおのこと学外党派による不透明な支配は許されません。

全学連はどうでしょうか。全学連の活動を取り上げるのは、ほとんど日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」です。また、全学連は日本共産党に系列化された団体ともっぱら共同行動をとっています。2011年10月に、日本共産党のイニシアチブで開催された「全国青年大集会」に、主催団体として名を連ねています。また、日本共産党系とされる原水爆禁止日本協議会ともに、原水爆禁止世界大会に実行委員会団体として名を連ねています。学生間で意見の一致を見ない比例定数削減の問題でも、反対する共産党系の集会に主催団体として名を連ねています(「比例定数削減反対!5・30学習起集会」)。

客観的に見ても特定党派に系列化されていることはほとんど自明ですが、党派性を示す直接の事実もあります。日本共産党の指導下で、全学連・全学中共執行委員として活動した経歴をもつ本会前委員長の証言によると、全学連中央は日本共産党の直接の指導下にあります。中央執行委員長以下の中央執行委員のほとんどは代々、日本共産党員で占められています。中央執行委員会が開かれる前日から、中央執行委員を務める党員と党本部職員とで会議を開き、党職員から、助言と称して事実上の指導を受けています。全学連が実施する署名の内容を、日本共産党東京都委員会主催の会議で一方的に変更したこともあります。

本会会員の中には、日本共産党を支持したり所属したりする学生もいるところですが、その如何にかかわらず、政党が学生自治団体およびその連合を支配することは許されないことです。また、このような党派性を指摘すると「思想排除」といったレッテル貼りや詭弁、事実の歪曲を用いて政治主義的に反論し、学生の自主的な議論を抑圧してきた体質それ自体もまた、批判されなければなりません。

5 今後の本会の方向性

現在、全学連を称する組織は複数ありますが、いずれもほぼ同様に、全国的連合体としての資格を欠いています。同時に、全国的な学生自治会の連合体が事実上存在しない中、学生自治会の、大学の枠を超えた交流・連携は乏しくなっており、これが学生自治会運動の衰退の一因になっていると考えています。今後、本会がイニシアチブをとって、学生自治会その他自治団体の自由で自主的なネットワークをつくることも考えていく必要があるでしょう。

また、本会正副委員長・常任委員会としては、どうして本会がこれまで、このような全国的連合体としての資格を欠く団体に加盟してきたのか、調査を進めていく所存です。

全学連加盟問題については、社会的にも議論が行われているところであり、本提案だけでなく幅酷い議論を含めてご判断頂きたく思います。代議員の各位におかれましては、資料を添付いたしておしますのでご参考にされてください。

参考資料(別紙):

1. JBPRESS「ついにとどめを刺される「全学連」東京の自治会が引き続き対決に導く社会運動史上の大事件とは」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35298)(2012/5/24)

2. 「東京大学新聞」2012年3月3日「学内党派の『介入』示唆」2012年4月8日「自治会介入共産党回答 直接の言及避ける」

3. 『全学連新聞―そがく―』2012年3月15日「そもそも学生自治会・全学連とは?」

第4号議案

カリキュラム委員会およびカリキュラム委員を廃止します。

学生自治会において、カリキュラムに関する意見、要望の収集および公表の活動を行っています。カリキュラム委員会とは学生自治会に置かれている委員会であり、その構成員としてカリキュラム委員が各クラス1名選出されています。カリキュラム委員会は1969年に「学問研究・教育理念の追求、カリキュラム改革案の作成、改革問題の窓口となること」を任務として創設され、その当時は各クラスにカリキュラムに関する専門委員を置いて、クラスで主体的にカリキュラム問題について意見収集するという役割が期待されていました。しかし、今日、活動のあり方が形骸化し、クラスにカリキュラム問題を扱う特別の委員を置く必要がなくなりました。

以上の理由より、カリキュラム委員会およびカリキュラム委員の廃止を提案します。カリキュラム問題については、今後とも、学生自治会内にある事務局政策部が引き続き主体となっての調査・研究活動に力点を置いて活動していきます。現在各クラスのカリキュラム委員が実施している、クラスでの口頭アンケートと自主ゼミの広報は、自治委員が行っていくことになります。

平和擁護委員会および平和擁護委員を廃止します。

平和擁護委員会とは学生自治会に置かれている委員会であり、その構成員として平和擁護委員が各クラス1名以上選出されています。平和擁護委員会は、「学問の自由の大前提である平和について考え活動していくこと」を理念として設けられました。しかし、今日、その活動内容は原水爆禁止世界大会(毎年8月に広島または長崎で開催)に学生を派遣すること(例年10人前後)のみとなっており、少なくとも、クラスに平和擁護のための特別の委員を置くことは必要とされていません。

以上の理由より、平和擁護委員会および平和擁護委員の廃止を提案します。学生自治会を主体とする平和活動の必要性や将来的なあり方については、今後とも予断無く検討していきます。現在、今まで無反省に毎年実施していた原水爆禁止世界大会への派遣について常任委員会で再検討しているところであり、大学生協の平和・国際プログラムとの連携なども視野に入れています。

第5議案

第124期会計収支決算書






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